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2015年9月千葉市竜巻(F1)速報
現地調査写真レポート:文・写真/山村武彦

夜間竜巻の恐怖
2015年9月6日21時40分ごろ、千葉市中央区今井地区を竜巻が襲った
建物75棟損壊、3人負傷
夜の竜巻の恐怖を住民たちが生々しく証言している
「風が少し強くなったかなと思っていたら、いきなりゴゥーとなって巻き込まれた」
「テレビを見ていたら、家が小刻みに揺れ、地震と思ったら物凄い音がしてガラスが割れた」
「前触れもなく急に身体が天井に吸い上げられるような気がした後、ゴゥーという音がした」
「ともかく、いきなりで、何が何だかわからなかった」
「たぶん、10秒くらいで通り過ぎた」
「たまたま外を見ていたら、トタン板が数枚くるくる巻き上げられていくのを見た」

同じ時間帯に成田市、鎌ケ谷市、市川市でも突風による被害を出している
翌日現地調査した気象庁は「竜巻(フジタスケールF1推定)の疑いが強い」と発表

熱せられた地表と上空寒気との温度差が高い日中に積乱雲発生が多いとされていたが
最近は深夜、夜間、早朝でも竜巻発生が頻発している
昼間であればロト雲、黒雲が近づく、急に冷たい風が吹く、木の葉等が舞うなど
完璧ではないまでも五感で感じる竜巻予兆を確知することもできる
しかし、夜間や深夜の竜巻は予兆を感じる間もなく、身構える時間も与えず
無防備の人たちを突然襲い、室内にいた人など3人が負傷した
今まで、竜巻の時は「頑丈な家の中に入れ」といわれてきたが
頑丈な家でもガラスが破られる危険性があるので、室内でも次のような注意が必要
2階より1階、1階より地下に避難
雨戸、シャッター、カーテンを閉じ、窓や開口部から離れる
開口部から離れ、部屋の中央で身体を伏せ両腕で頭と首筋を守る姿勢をとる
浴室・浴槽・トイレなど窓のない部屋で身体を伏せ両腕で頭と首すじを守る

頻発する夜間・早朝の竜巻
最近発生した主な早朝・夜間の竜巻(気象庁HP速報より)(海上発生を除く) 
発生日時  現象区分   発生場所  藤田スケール
 2015.9.6.21:40頃 夜間 竜巻 千葉県千葉市中央区 F1
 2015.9.4.06:30頃 早朝 竜巻 兵庫県南あわじ市  F0
2015.8.30.04:00頃  早朝 竜巻 和歌山県西牟婁郡白浜町 F1
 2015.8.30.01時頃 深夜 竜巻 高知県室戸市  F0
2015.7.22.19時頃  夜間 ダウンバースト又は
ガスとフロント 
山形県西村山郡河北町  F0
2015.5.12.07: 30 早朝 竜巻 鹿児島県大島郡伊山町  F1
2015.3.22.19:15頃  夜間 竜巻 秋田県男鹿市  F0
2014.12.13.07:20頃  早朝 竜巻  石川県白山市 F0
2014.11.15.08:30頃  早朝 竜巻 福井県丹生郡越前町  F0
2014.11.12.19:30頃  夜間 竜巻  北海道勇払郡安平町 F1
2014.8.9.06:00頃  早朝 竜巻 三重県熊野市 F0
2014.7.10.06:20頃  早朝 竜巻  高知県香南市、香美市 F1
2014.7.10.06:20頃  早朝 竜巻  高知県南国市 F1
竜巻は、昼間だけでなく、いつでも、どこでも発生する可能性がある
被害者、加害者にならないため、普段から家の周りの整理整頓、防災大掃除が必要
そして、窓ガラスが割れると突風によって天井まで破壊される危険性がある
ガラスに飛散防止フィルムを貼る、雨戸、厚手のカーテンなどを設置するなど補強も大切    

こちらのお宅では竜巻で割られたガラスが室内にいた女性の背中を直撃 負傷


支えていた鉄骨ごとブロック塀倒壊


このお宅は留守だったため、人的被害がなかった



宮崎さん(下図)宅は、瓦だけではなく、屋根が飛ばされた(上図)
通常の強風や突風で瓦は飛んでも屋根までは飛ばない
宮崎さん宅2階は下地ごと屋根が飛ばされた。このことでも竜巻と推定される
下図は宮崎さん宅のモルタル壁に突き刺さった木片
竜巻では木片も凶器と化す
風の強さを物語るように、モルタル壁に木片(?)が突き刺さっている



一帯が停電し、頼りは友人が届けてくれた小型発電機

★竜巻発生のキーワード/大気不安定、突風、落雷、竜巻、落雷注意情報、竜巻注意情報
★主な
竜巻前兆現象
★急に暗くなり、冷たい風や突風が吹く
★雹(ヒョウ)が降る
★垂れたまっ黒な雲が広がる
★土、砂、木の葉、枝、建物の残骸などが飛ぶ
★気圧が急降下(又は急上昇)で耳がキーんと鳴ったり異常音を感じる
竜巻が発生したら
室内にいた場合
★頑丈そうな建物に避難する
★2階より1階、1階より地下に避難
★雨戸、シャッター、カーテンを閉じる
★窓や開口部から離れる
★部屋の中央で身体を伏せ両腕で頭と首筋を守る姿勢をとる
★浴室・浴槽・トイレなど窓のない部屋で身体を伏せ両腕で頭と首すじを守る
屋外にいたら
★できるだけ頑丈そうな建物に避難する
★壊れたり飛ばされそうなプレハブ、仮設構造物から離れる
★川、橋などから離れる
★野原など、避難する場所がない場合は、身体が収まる水路、窪みなどに伏せ両手で頭と首筋を保護する
 
 

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