防災システム研究所


東海地震の被害想定

平成15年3月18日、中央防災会議の東海地震対策専門調査会(座長・岡田恒男芝浦工業大教授)は、初めて津波や火災の死者を含む被害想定結果をまとめ、小泉純一郎首相に報告した。死者は最悪で1万人に上るとの結果が出た。経済的被害は約37兆円と算定した。(従来の被害想定は建物倒壊による死者だけだった)

想定マグニチュードは8、最大震度7を想定し、千葉県から和歌山県までの1都9県の被害を予測した。

人的被害が最悪になるのは、建物倒壊被害が最も大きいと考えられる「冬の午前5時

予知なしで起きた場合
  死者は▽家屋倒壊で約6700人▽津波で約400〜2200人▽火災で約200〜600人
  ▽がけ崩れで約700人――の計8300〜1万人と予測した。
  
予知できた場合は2000〜2400人に減るとしている。

建物被害が最大になるのは、風速15メートルの風が吹く中、火災の影響が最も大きいと考えられる「冬の午後6時」に起きた場合。約25万棟が焼失し、倒壊なども含めた被害は約32万〜46万棟に達する。

ライフラインの被害では、断水により発生直後約550万人、1週間後でも約280万人が影響を受ける。停電
  は約520万人、都市ガス停止で約290万人(1週間後)と想定した。避難生活者は1週間後で約190万人、
  1カ月後でも約73万人と推定した。

経済的な損害額は、建物被害など直接被害が約26兆円。生産停止や交通被害などの間接的な被害が11兆円となり、計37兆円に上る。警戒宣言発令による経済的な影響は1日当たり実質2000億円と見込んでいる。

 
しかし、発表された想定には新幹線や高速道路の被害などは含まれず、実際の被害はさらに拡大する恐れがある

調査会は被害を最小限に抑えるため防災情報システムの整備や建物の耐震化、防潮堤対策を急ぐよう提言した。国は4月末までに「東海地震防災対策大綱」と「同広域防災対策活動要領」を策定、防災対策の見直しを行う。


東海地震が発生したら、必ず上記の被害数値になるというのではなく、あくまでも試算でしかない。一つのファクターを変えれば、被害数字は大きく変わる可能性もある。


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