防災井戸端会議/提唱:山村武彦
★防災井戸端会議のすすめ
 私は向こう三軒両隣で防災隣組をつくり、防災訓練のときに5〜10世帯が集まって「防災井戸端会議」を開催することを提唱しています。昔は町内会の奥様方が井戸端を囲んでおしゃべりをよくしたものです。亭主も床屋さんなどで床屋談義に花を咲かせました。しかし、昨今は皆忙しすぎて余裕もないのか近くの人たち同士がじっくり話し合う場がなくなってしまいました。
せめて、年に一度の地域防災訓練の時を利用して、自分たちの地域の身近なリスクや災害について話し合い、どんな助け合いができるかをみんなで考える事が大切です。地域ごとに、そして家ごとに危険の度合いや種類が異なります。そして、その地域ならではの地域特性があります。その特徴を生かしつつ、高齢化社会における防災の在り方を顔の見える人同士で話し合っておくと、いざという時もためらわずに声もかけやすいものです。
 高齢化が進む中で、本当に頼りになるのは近くにいる人です。互いに近くで助け合う「互近助さん」が極めて重要です。遠くの親戚より近くの「互近助」さんなのです。
 私が防災アドバイザーを務めている静岡県沼津市では、私の提案を取り入れていただき第五南地区連合自主防災会が2014年から毎年12月の訓練時に防災井戸端会議を開催しています。沼津市防災指導員を中心として防災リーダーを選任し約10ブロックに分かれての防災井戸端会議は毎回盛会です。こうした地道な積み重ねがあってこそ地域防災は根付いていくのだと思います。防災指導員や防災リーダーの熱意には心より敬意と感謝の意を表したいと思います。最近は中学生や子供たちも参加してくれていますので次世代にも引き継がれていく事を願っています。安全・安心まちづくりの新たな試みとして、各地域でもぜひ試してみてください。
★沼津市防災井戸端会議
防災の原則などから地域の個別テーマへと入っていきます


井戸端会議の合間には中学生や婦人部の人たち心づくしの非常食の試食会がにぎわいます

人生の機微を経験した防災リーダーたちの語り口は、さびた声と共にいぶし銀のように心にしみていきます

身近な問題や課題を出し合って奥様達も真剣に話し合っています





 緊急時の便りは「近助」で、迷わず動く


防災井戸端会議の締めは、私の防災講話です
講評を兼ねた防災講話

真剣に話を聴いてくださる住民たち、防災意識が毎年高まっていくのを肌で感じます
第五南地区連合自主防災会の役員さんたち(2017年12月3日)


我入道公園防災訓練(2017年12月3日)

第四小学校防災訓練(2017年12月3日)

防災システム研究所山村武彦プロフィール阪神・淡路大震災東日本大震災災害現地調査写真レポート

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