|東日本大震災阪神・淡路大震災防災システム研究所現地調査写真レポート

平成28年鳥取県中部地震(速報)
現地調査写真レポート:文・写真/山村武彦

 2016年(平成28年)10月21日14時7分、鳥取県中部を震源とするM6.6の地震が発生。震源の深さは約11辧D纂荼倉吉市、湯梨浜(ゆりはま)町、北栄町で震度6弱、鳥取県三朝(みささ)町、鳥取市、岡山県真庭市、鏡野町で震度5強の揺れを観測(倉吉市で1494ガル)。その46分後の14時53分にM5.0・震度4の揺れなど続震が頻発したたため、被災地では熊本地震のような連続地震を想起させ、住民たちは不安を募らせていた。伯耆町県道での土砂崩れや各地の住宅損傷と合わせて、この地方特産の梨農家などに深刻なダメージを与えた。また、梨選果場なども大きな被害が発生していて現在復旧を急いでいる。23日午前時点で停電はほぼ解消したが、水道は一部地域でまだ断水している。自衛隊などが給水活動を続けていた。
 今回地震のエネルギーを表すマグニチュードは6.6だったが、6.5だった熊本地震の前震と比較すると被害は少なかった。地震は様々な要因が重なるため単純にマグニチュードの大きさによって被害が比例しない事を物語っている。
 この地域では2015年10月から地震活動が活発化していて震度1〜4程度の地震が頻発。そして、この地震の2時間前の2016年10月21日12時12分にもM4.2・震度4の地震が起きていた。地震の種類としては大陸プレート内で起きた左横ずれ断層型地震。震央とその後の続震分布図などによって、この地震を引き起こした断層はこれまでに地震学者が把握していなかった未知の断層とされている。2012年10月6日に発生した鳥取県西部地震を引き起こした断層も把握されていなかった断層が動いている。
 つまり、断層がないと言われているところでも、それは専門家が把握していないだけなのかもしれない。この地震の教訓は、既知の断層を警戒するだけでなく、断層がないとされている地域でも直下地震に備える必要があるという大地からの警告と受け止めなければならない。(2016年10月23日)
★この地震による主な被害(2016年10月23日18時現在)
・死者/0
・負傷者/約21人
・損壊建物/約873棟
・避難者/約2,800人
被災者の一日も早い生活再建をお祈り申し上げます

倉吉のシンボル・白壁土蔵群
(倉吉市打吹 玉川伝統的建造物群保存地区)
一部損壊した建物もあるが、半数以上のお店は営業していた

玉川の清流は何事もなかったように、ゆったりと時を刻んでいた


続震が続く中、倒壊した倉庫を片付ける人々(北栄町)



崩壊した崖にシートを掛ける人たち







ブルーシート不足が伝えられると近隣市町村が即日対応
メーカーからの提供申し出も多数あったが2日目には充足状態

ブルーシート押さえは土のう袋が必需品
高齢者・母子家庭等で屋根に上ってのブルーシート張りは困難
雨が降る前にはシート張りボランティアが多数必要になる


耐震補強されていた倉吉市役所だが窓ガラスが多数割れた
(ガラス飛散防止フィルム未貼付)

倉吉市役所



倉吉市役所4階・窓ガラス脇にいた財政課長が負傷

倉吉市周辺では倒れたLPガスボンベも地震で倒れたものも多かったが
マイコンメーターとガス放出防止高圧ホースが設置されていて火災ゼロ

湯梨浜町東郷地区の梨園・地震で半数以上の梨が落下
鳥取県は梨の名産地で知られている
台風に耐えた梨も震度6弱の揺れに耐えられなかったものが多い

落下したのは鳥取梨、「王秋」「あたご」というブランド
この地域は20世紀梨が有名だが、20世紀梨の後に王秋とあたごの収穫が始まる
「王秋」は、糖度12.5以上と20世紀梨より甘く
ラグビーボールのような形状の赤梨
10月末の収穫目前の梨落下、農家の人たちの落胆は大きい
梨畑は草、ワラ、土などのためほとんど傷んでいるようには見えない
鳥取中部地震の被災者支援は様々な方法があるが
落ちた梨を皆が購入すれば被災農家を勇気づけることになる
この呼びかけた知った関係者が奔走し、東京港区などが支援購入に乗り出してくれた
10月23日の呼びかけに、10月27日には「落ち梨」第1便が「みなとパーク芝浦」に到着
10月28日JR新橋駅前で配布され、一部は給食などに使われることになった
新橋駅前では「平成28年鳥取地震義援金」も募る。迅速対応に心より感謝します
そのほか、新宿区も受け入れを決定し、江東区、台東区でも受け入れてもよいとしている
日本はみんなあったかい!

鳥取県最大の梨選果場(JA鳥取中央)が湯梨浜町にある
糖度は光センサーにて上下で測定し、糖度12.5度以上の品質確保 

一見被害がなさそうに見えるが
ねじれたライン

バーコード読み取り機も損壊
(左は寺地政明場長)

制御室内
選果場 従業員通路


 梨選果場には全国から震災お見舞い電報が届いていた

 日本海に面した鳥取県東伯郡北栄町(人口14,700人)
漫画「名探偵コナン」の作者・青山剛昌氏の出身地
「コナンの里構想」で町おこしを行っている
 北栄町も震度6弱で多くの瓦が落ちるなどの被害が続出
国坂浜地区
 国坂浜地区は日本海から約5卷民苗北部
国坂浜地区は公民館に行くより集落センターの方が近い
 国坂浜集落センター・ふれあい広場
平時はグランドゴルフや子供たちの遊び場などに使われている
広場の片隅に国坂浜自治会・自主防災組織が防災倉庫を設置
鳥取県は防災意識が高く、地域ごとに自主防災組織が組織されている
とくに、国坂浜の山信自治会長は自ら防災士を取得し
地域の防災・危機管理力向上に努めていた
 平成28年鳥取県中部地震発生時、熊本地震の教訓を活かし
この広場を連続地震に備えた車中泊用避難所としても使用された
ここは以前葡萄畑だったが高齢化で農業継続困難場所を
町が買い上げ集落センターとした
国坂浜自治会は地震避難場所(一時避難場所)とし訓練していた
左側の奥に見えるのがビニールハウスの避難所

 
葡萄畑敷地内にあったビニールハウスを整備しトイレも設置した
平時、ハウスは卓球台やお茶飲み場などで遊べるようにしておき
災害時には寝泊まりできる避難所とすることになっていた
地震発生後、熊本地震を想起させる続震が頻発
自治会長は戸別防災無線で避難場所に避難を呼掛け
安否確認をしたあと多くの人がビニールハウスに宿泊した
ビニールハウスは軽量で倒壊の恐れがなく
気密性があるため、暖かく安心して良く眠れたという

 頑張れ鳥取!
1日も早い復旧・復興をお祈り申し上げます

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