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平成29年(2017年)九州北部豪雨・現地調査・写真レポート(速報)・期間/2017年7月7日~8日 犠牲者のご冥福をお祈り申し上げ、被災者に心よりお見舞い申し上げます (写真及び文/山村武彦) |
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2017年6月30日からの梅雨前線に伴う九州北部の豪雨により多発的土砂災害発生 福岡県朝倉市及び大分県日田市などには濁流と共に土砂と流木が町に流れ込んだ 死者30人、安否不明者18人(7月13日現在/警察庁) 元凶は記録的豪雨、だが被害拡大・捜索難航要因は大量の土砂と流木であった 現場は5年前の「平成24年7月九州北部豪雨」を想起させる 日本国土の約70%は中山間地、地球温暖化時代はいつでもどこでも豪雨災害が起きる |
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流木が橋に積み重なり中小河川の流路を妨げ。広範な洪水を引き起こした | |
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上図は気象庁が出した7月5日午前3時20分の「洪水警報の危険度分布」 今回の災害の特徴は、筑後川などの本流ではなく水系・支流である多数の中小河川・側溝が氾濫したこと 大量の流木によってせき止めが各所で発生、濁流が流れを変え土砂と流木が広い地域に流れ込んだ 大規模河川対策だけでなく、今後は中小河川の同時多発氾濫も想定した避難場所・避難動線マップ必要 |
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6月末から停滞する梅雨前線に暖かく湿った空気が流れ込み、大気の状態が不安定となった 5日昼頃から九州北部地方で積乱雲が次々と発生し連なる状況(線状降水帯)が発生 6日昼前までの24時間に福岡県朝倉市で545.5mm 大分県日田市で370mmを観測する記録的大雨となった (いずれも観測史上1位、7月1ヶ月間の平年雨量を超える) 土砂災害37か所、河川氾濫33か所(国交省・7月8日現在) |
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流木の大部分は植林されたと思われる杉(芯が赤く見える) | |
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流木は大きいもので直径80㎝Φ、長さ20メートルのものもあった | |
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濁流と流木が護岸を破壊 | |
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流木がぶつかったと思われる跡が護岸に残っている | |
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朝倉市杷木(はき)地区の住宅街に流れ込んだ濁流と大量の土砂(真砂土) 真砂土(まさど・まさつち)は花崗岩が風化した砂状の地質、関西以西に広く分布している 水はけがよく園芸などにも使われるが、一定以上水分を含むと一気に崩れやすいといわれる 「平成26年広島市土砂災害」時にも真砂土がクローズアップされた |
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マンションの1階も土砂流入 | |
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3日目過ぎてもドコモなどの電波が届かないところ(黒い部分)が多々あり情報孤立を招いた 大規模災害時は物理的孤立と情報孤立がどこでも起きる可能性があるため 最低7日分の非常用品備蓄が奨励される |
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停電、断水、電話不通、道路寸断で 孤立していた朝倉市黒川からヘリで愛犬と一緒に救助された住民たち 指定避難場所に入ったがペット同行避難の受け入れ態勢はできていなかった |
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ボランティア貸し出し用機材 | |
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朝倉市杷木(ひき)は柿・ブドウの名産地だが | |
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朝倉市・筑後川から水を取り込む最古の水車群「菱野の三連水車」は流されなかった 周辺は流木が農地を覆っていた |
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自販機も水没(浸水の危険があるときは電源を切らないと感電の危険) | |
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ここまで福岡県朝倉市、ここから大分県日田市関係 | |
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JR久大本線(久留米〜大分)花月川の橋脚及び鉄橋が流失 | |
鉄橋流失 | |
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大規模な斜面崩壊が発生した日田市小野地区 住宅が埋まり、河道閉塞、道路寸断、停電、断水、電話不通で集落は一時孤立 日田市小野地区の土砂は朝倉市(真砂土)と異なる地質(火山砕屑物)だが 5年前の7月に発生した「平成24年九州北部豪雨」を想起させる土砂災害発生 |
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小野地区土砂災害で避難誘導にあたっていた消防団員山本岳人さん(43)が土砂に巻き込まれ犠牲になった 高潔な使命感で職務を全うしていた山本さん、敬意をこめてご冥福をお祈りします |
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日田市は日本三大林業地/良質の日田杉はブランドとしても有名 | |
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過去に土砂災害があった裏山には防災対策を施した場所もあった(日田市) |
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山村武彦/災害現地調査写真リポート | |
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