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 消防法第8条に基づく消防計画や予防規定、大規模地震対策特別措置法の震災予防規定、石油コンビナート等災害防止法の防災規定、火薬類取締法、高圧ガス保安法の「危害予防規定」、ガス事業法、電気事業法、石油パイプライン等災害防止法の「保安規定」などに基づき、一定規模以上の事業者で政令で定める事業所は避難訓練、消火訓練などの防災訓練の実施が義務付けられています。
 しかし、各企業の防災訓練に立ち会ってみると、これで大災害から本当に企業を守れるのだろうかと懸念されます。あまりにも形だけの訓練になっているように思われます。防災訓練を行う目的は、テロ、事件、風水害、大地震などが発生したときに、迅速かつ適切な緊急対応を行い、被害軽減、二次災害抑止、早期復旧、早期事業再開を果たすためです。そのためには形だけの防災訓練ではなく、実践的訓練企画と共に、訓練に立ち会ったプロの目で評価することが大切です。それにより、危機管理規定の見直し、危機管理マインドの向上に役立たせることが重要です。
防災システム研究所では、過去百ヶ所を超える災害現地調査を元に、防災対策のプロが各企業の業種、業態、企業ポリシーに合わせて、実践的な防災訓練を提案、企画、監修、評価をお引き受けいたします。
お気軽にご相談ください。

訓練企画例
防災訓練企画策定の基本


1、訓練目的の明確化

2、訓練の種類の選択

(1)(個別訓練)災害対策本部設置訓練、緊急参集訓練、避難誘導訓練、情報収集・通報伝達訓練、消火訓練、シャットダウン訓練、救出救護訓練、応急復旧訓練、被災者救援支援訓練、緊急炊き出し訓練、復興事業再開訓練等
(2)(綜合訓練)

3、訓練テーマの設定

4、災害想定

5、被害想定

6、時間経過想定

7、評価手法の明確化

8、問題点のチェックと対策


災害対策本部例
災害対策本部訓練例(大規模地震想定)

1、災害対策本部設置基準にしたがって本部設置

2、災害対策本部員の職掌、役割分担の実施

3、災害状況、被害状況の情報収集、集約、伝達実施

4、緊急対応指示命令の実施

5、二次災害防止のための対策指示命令実施

6、関連機関への被害状況報告実施

7、事業拠点の情報収集実施

8、周辺地域の被害状況収集実施

9、被災者救援・支援策指示

10、応急復旧対応指示

11、周辺施設警備強化指示

12、災害対策本部会議開催

13、被害集計、復興計画策定指示

14、緊急広報指示

15、その他

 防災訓練詳細は割愛しますが、企業危機管理にとって実践的な防災訓練の積み重ねが最も重要です。しかし、各社とも防災訓練がマンネリ化し形骸化しているのが実情です。防災関係者がいかに防災意識が高くても、訓練参加者の意識が低ければ形だけの訓練になってしまいます。訓練の成否は役員をはじめ全社員の防災マインドを高め、危機管理ベクトルを合致させることが大切です。訓練の前に実践的な研修会を行い、各部署で防災自主トレーニングをしておく必要があります。防災訓練は単なる消化行事ではなく、企業の存亡にかかわる重要不可欠な危機管理の基本です。
 そして今、企業に求められているのは「モラルと安全」です。大規模災害が発生したとき、企業自身の被災の有無もさることながら、災害時企業が何をしたか、何をしなかったかも問われる時代なのです。企業市民として被災地域や被災者に対して何をなすべきかを、予め明確にしておくことも重要です。
 防災アドバイザー山村武彦