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イラン・イスラム共和国 
(Islamic Republic of Iran)
国旗



モハムド・ハタミ
大統領

 イラン・イスラム共和国はアジアの南西部にあり、中東地域の最も東にあたります。北にはカスピ海と、新たに独立したアゼルバイジャンとトルクメニスタンという隣国があります。南はペルシャ湾とオマーン海。インド洋を経て国際的な航路につながる海です。西はトルコとイラク、東はアフガニスタンとパキスタンです。総国土面積は164万8000平方キロ、人口はおよそ6500万人。
 北のカスピ海と南のペルシャ湾の間には、山脈に囲まれた広大な中央高原が広がっています。高原や山脈の他に、国の3分の1を占める中央砂漠も忘れるわけにはいきません。カビール砂漠とル−ト砂漠に分かれている中央砂漠。砂と小石と岩塩があるだけのここは、事実上越えることのできない障壁と同じです。イランは広大な国。地域によって気候はさまざまです。冬の寒さは厳しく、テヘランでは気温が0℃以下に下がり、寒冷地ではマイナス15℃からマイナス20℃まで下がります。夏は暑く、テヘランで40℃を超える日もあります。貿易額の最大は石油で、一番の輸出国は日本です。
 イランの新年は3月21日にはじまります。それは、ペルシャ語でNOWROOZとよんでいます。イランの暦は太陽暦により計算されています。毎金曜日はイランの公休日です。2003年12月26日の金曜日に地震が発生しました。
一般事情
1.面積 1,648,195km2(日本の約4.4倍)
2.人口 6,490万人(02年3月)(イラン中銀発表)
3.首都 テヘラン
4.人種 ペルシャ人(他にアゼリ系トルコ人、クルド人、アラブ人等)
5.言語 ペルシャ語、トルコ語、クルド語等
6.宗教 イスラム教(主にシーア派)、キリスト教、ユダヤ教、ゾロアスター教
7.略史
アケネス朝ペルシャ(紀元前5世紀)、ササン朝ペルシャ(紀元3世紀)時代には大版図を築く。その後、アラブ、モンゴル、トルコ等の異民族支配を受けつつもペルシャ人としてのアイデンティティーを保持し、1925年にパフラヴィ(パーレビ)朝が成立。1979年、ホメイニ師の指導のもと成就したイスラム革命により現体制となる。イラン・イラク紛争(80年〜90年)及びホメイニ師逝去後、89年にハメネイ大統領が最高指導者に選出され、ラフサンジャニ政権(2期8年)を経て、97年にハタミ政権が発足。01年第2次ハタミ政権発足。
政治体制・内政
1.政体 イスラム共和制
2.最高指導者 セイエド・アリー・ハメネイ師
3.議会 一院制(議長メフデイ・キャルビ師)任期4年。定数290名(うち女性12名))
4.政府 (1)大統領名 セイエド・モハンマド・ハタミ
(2)外相名  キャマル・ハラズィ
5.内政 (1)89年6月3日、ホメイニ師死去。同4日、専門家会議においてハメネイ大統領が最高指導者に選出。
(2)89年7月28日、憲法改正(首相職を廃止し大統領に行政権を集中化する等の内容)、国民投票により承認。同日の第5期大統領選挙でラフサンジャニ師が当選、8月ラフサンジャニ内閣が発足。
(3)92年5月の第4期国会選挙で「左派」が大敗し、「左派」は大きく後退。
(4)その後「現実派」と「保守派」間の対立が浮上、「保守派」優位の中で、93年6月の第6期大統領選挙でラフサンジャニ大統領(「現実派」)が再選。10月第2次ラフサンジャニ内閣成立。
(5)96年3月の第5期国会選挙では「保守派」が優位を維持。
(6)97年5月の第7期大統領選挙ではハタミ師が「保守派」候補を下し圧勝。8月には穏健でリベラルなハタミ内閣が発足し、市民社会の形成を目指す諸改革を推進。
(7)00年2月の第6期国会選挙で改革派が圧勝。同年5月、改革派が過半数を占める第6期国会が発足。
(8) 2001年6月の第8期大統領選挙でハタミ大統領が前回を上回る得票率で再選。8月、第2次ハタミ内閣発足。
(9)2003年2月の第2回地方評議会選挙では全国主要都市で保守派が圧勝。
外交・国防
1.外交基本方針 緊張緩和を目指す対話路線
2.最近の動き  ハタミ政権後、革命以降関係が悪化していた近隣諸国及び欧州諸国との関係改善が進んでいる。米国との関係修復の動きも見られるが、紆余曲折が予想される。
3.軍事力
(1)予算  91 億ドル(01年)
(2)組織  最高指導者を最高司令官とする国防組織を有し、軍隊は、「正規軍」「革命ガード」「治安維持軍」から構成。前二者が国防、後者は国内の治安維持を担当。
(3)兵力  51万3,000人(99年)
経済
1.主要産業 石油関連産業
2.GNP 1,022億ドル(00年)
3.一人当たりGNP 1,650ドル(00年)
4.GDP成長率 6.5%(02/03年)
5.物価上昇率 15.3%(02/03年)
6.失業率 16.1%(00/01年)
7.総貿易額 (1)輸出 283.5億ドル(00年3月〜01年3月)
(2)輸入 152.1億ドル(00年3月〜01年3月)
8.主要貿易品目 (1)輸出 原油
(2)輸入 機械、食料、鉄鋼、車両
9.主要貿易相手国(99年) (1)輸出 日、伊、韓国、仏、シンガポール、フィリピン
(2)輸入 独、韓国、伊、中、仏、日
10.為替レート 1$=8,316リアル(03年8月現在)
11.石油概況 (1)確認埋蔵量 897億バーレル(シェア8.7%)(01年)(世界第5位)
(2)生 産 量 368.8万B/D(01年)
(3)可採年数 67.4年(01年)
(4)石油収入 185.7億ドル(00年)
12.ガス (1)確認埋蔵量 23兆立方メートル(シェア14.8%)(01年)(世界第2位)
(2)生 産 量 606億立方メートル/年(01年)(世界第8位)
(3)可採年数 424年
13.経済概況  イランは世界第5位の石油及び世界第2位の天然ガス埋蔵量を有する有数の産油国。民間資本は商業が中心であるが、農畜産業も盛んで食糧自給率は70%。
 原油モノカルチャー経済からの脱却及び市場経済体制への移行を目的とした構造調整政策を推進しており、2000年4月より第3次五ヵ年計画(〜2005年3月)を実施中。02年5月、新外国投資法が成立。同10月、同法施行法令が公布された。
 米国は、95年の大統領令で米企業によるイランとの取引を禁止し、96年には、イラン向け石油・ガス開発投資を行った外国企業に対し制裁を課す対イラン・リビア制裁法(ILSA)を成立させ、対イラン経済制裁を実施。2001年8月、同法は5年間延長された(但し、2年後に行政府は見直し勧告を行うことができる)。
経済協力
1.我が国の援助実績
(単位:億円)
(1)有償資金協力(E/Nベース)2001年度までの累計 810.28
(2)無償資金協力(E/Nベース)2001年度までの累計 14.27
(3)技術協力実績(JICAベース)2001年度までの累計 141.07
2.DAC主要援助国のODA実績(2001年、単位:100万ドル) (1)日本(34.4) (2)ドイツ(32.6) (3)フランス(6.8) (4)オランダ(3.8) (5)ノルウェー(3.7)
二国間関係
1.政治関係 (1)1929年8月在イラン公使館開設(国交開設)。30年7月在日イラン公使館開設。42年4月対日断交。53年11月国交再開。55年2月大使館に昇格。77年1月在ホラムシャハル日本国総領事館を開設したが、81年よりイラン・イラク戦争のため一時閉鎖(97年4月、正式に閉鎖)。
(2)1958年5月、モハンマド・レザー・シャー・パフラヴィ国王訪日。60年11月、皇太子同妃殿下イラン訪問。78年9月、福田総理イラン訪問。
(3)両国関係は革命前後を問わず一貫して良好。
(4)2000年10月末、ハタミ大統領がイラン大統領として初めて訪日(イラン元首級としても42年ぶり)。
2.経済関係
(1)対日貿易(単位:百万ドル)
(イ)
貿易額  92年  93年  94年  95年  96年  97年  98年  99年  00年
   輸出 2,603 2,419 2,758 2,820 3,216 3,556 2,441 3,161 5,356
   輸入 2,649 1,452 911 660 713 885 850 571 573
(ロ)主要品目
   我が国への輸出 原油〔02年我が国原油輸入量51.4万B/D(12.7%。サウディに、ア首連に次ぐ第3位の原油供給国)〕
   輸入 機械類、金属品、自動車、化学品
(2)我が国からの直接投資(単位:百万ドル)
92年度 378
93年度以降 ゼロ(79〜99年累計529)
(3)経済ミッションの往来
90年3月 経団連ミッション訪問
91年9月 経団連ケシュム島視察ミッション訪問
93年2月 経済同友会代表団訪問
98年7月 経団連ミッション訪問
01年7月 政府派遣経済使節団訪問
3.文化関係 (1)1958年、日本・イラン文化協定締結。
(2)人物交流は中東地域において最も盛ん(国費留学生の約4割)
(3)97年7月、2003年5月在京イラン大使館の主催によりイラン文化週間が開催
(4)98年10月、99年10月、在イラン日本大使館の主催によりテヘランにて日本文化週間・月間が開催された他、2003年2月には日本文化紹介事業が実施された。
4.在留邦人数   572人(03年09月現在の登録者数)
5.在日当該国人数 5,769人(02年12月末現在の登録者数)


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