防災システム研究所

防災講演東南海・南海地震テロ対策阪神大震災防災心理学

防災の本新刊」JR福知山線脱線事故スマトラ沖地震津波災害パキスタン地震

2001年10月29日・再び新宿歌舞伎町雑居ビル火災発生!

2001年9月1日新宿歌舞伎町ビル火災2001年9月11日米国同時テロ事件

防災アドバイザー山村武彦
はしご車で救助される女性


新宿歌舞伎町三洋ビル9月1日の火災現場から300mの場所で
再び雑居ビル火災(2人死亡、5人が負傷)

 2001年(平成13年)10月29日(月)午前6時半ごろ、東京都新宿区歌舞伎町2丁 目の6階建て雑居ビル「歌舞伎町三洋ビル」(のべ床面積1081u)5階の風俗マッサージ店「ひまわり」(ビルの表側にはチャイナリラックスと表示されている)から出火、5階の約50平方メートルが焼けた。
 東京消防庁と警視庁によると、この火事で男性2人が死亡、5人がけがをした。火は約2時間後に鎮火。現場は44人の焼死者と3人の負傷者を出した9月1日の歌舞伎町ビル火災「明星56ビル」現場から約300メートルしか離れていない場所。。東京消防庁はポンプ車やはしご車など計46台を出動させ、消火活動や救助活動にあたった。 新宿警察署は捜査本部を置き、東京消防庁と現場検証し、出火原因を調べている。
同署などの調べでは、死亡した2人のうち1人は新宿区大久保に住む無職男性客(55)とみられ、高さ約15メートルの5階付近から転落し、間もなく全身打撲で死亡した。6階のレンタルルームに宿泊していたとみられる。焼死したもう1人の男性は50代で、5階の風俗店個室ベッドで全身やけどを負い、消防隊が救助したがすでに死亡していた、現在身元調査中。負傷者は男女4人と消防隊員1人で、ノドのやけどと切り傷を負った消防隊員(48才)以外の負傷者は、6階のレンタルルーム受付女性(74才、新宿区北新宿)、と、いずれも同店の客でサービス業の男性(18才、神奈川県在住)、サービス業の女性(19才、練馬区石神井台)、タクシー運転手(50才、茨城県土浦市)4人は隣のビルに飛び移って逃げた。74才女性以外はいずれも軽傷。
出火場所「ひまわり」の看板
 
出火原因は、コンセント又は配線の漏電加熱失火?
出火元は5階の台湾式風俗マッサージ店「葵・ひまわり」とみられ、出火当時、従業員8人と客3人がいたという。従業員の1人は「ソファで休んでいたら、客の1人が『火事だ』と声を上げたので、火事に気がついた」と話しているという。関係者によると、同店の東南角が最も激しく燃えており、個室のリクライニングベッドが黒こげになっていたという。これまでの調べでは油類がまかれた形跡や、ガス爆発の形跡はなく、最も激しく燃えていた個室奥洗濯機のコンセントなどが蛸足配線になっていた。また、マッサージ器具のコードが差し込まれた壁のコンセントが、激しく焼けていたことが警視庁のこれまでの調べでわかった。さらにこの一角の壁にあるコンセント近くでは、器具のコードなども焼け切れていたという。こうしたコンセントやコードが加熱炎上し、近くのカーテンなどに燃え移ったことによる漏電加熱失火の疑いが推測されている。
 ビルは地下1階地上6階で、同店のほか、飲食店やカラオケ店などが入っていた。警視庁は5階の風俗店については風俗営業法上の営業許可は得ていない無許可営業とみている。関係者によると同店は路上で女性従業員が客引きをして、足踏みマッサージ、アカスリなどを主体とした店で、性的サービスはなく、ほとんどが始発までの仮眠所として利用していたようだ。
 同庁は9月の明星56ビルの火災後、新宿区内などで緊急査察をしているが、床面積が300〜1000平方メートル以下の小規模ビルが対象なため、三洋ビルは1000u以上だったため緊急査察対象にならなかった。しかし、今年1月に同庁の立ち入り検査を受け、避難経路に障害物があるなどと指摘され、改善したという。
 また建築基準法では、ビルの所有者などの管理者は3年に1度、防火扉が機能するかどうかなどを新宿区に定期報告しなければならないが、同区建築課によると、同ビルはここ5年間、報告はなかったという。 現場は西武新宿駅の東側向かいにあり、雑居ビルが立ち並ぶ繁華街の一角。9月1日の歌舞伎町ビル火災の出火原因など捜査中に再び今回の雑居ビル火災が発生した。
出火ビルの裏通り
 
周辺は終電に遅れたサラリーマンの仮眠施設が密集
 火災事故のあった三洋ビルの裏通りは、モーテル、カプセルホテルなど小規模の宿泊施設が密集している地区。ここは西武新宿線の新宿駅に近いために、サラリーマンなどが終電に間に合わなくなると、一泊2000円から5000円で泊まれるレンタルルーム、カプセルホテルなどを利用するケースがあり、また、ホテル代わりに24時間営業のエステやサウナなどが利用される場合も多い。
 しかし、ホテルなどであれば宿泊カード記入が義務付けられているが、エステやサウナだと宿泊カードなどはないため、災害が発生すると身元確認が困難を極める。


〒106-0032 東京都港区六本木7-17-12
Tel:03-5771-6338・Fax:03-5771-6339・メール


トップページへ

新宿歌舞伎町ビル火災に戻る炭疽菌事件韓国地下鉄火災事件